色の雑学

夏の夜空を彩る♪花火の色の秘密

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各地で花火大会が開催され、夏の夜空を彩ってくれる季節となりましたね。

色とりどりの美しい光、どのようにして作られているかご存じでしょうか?

今回は自由研究にも役立つ、色の雑学『花火の色の秘密』をお届けします♪

 

色鮮やかな花火

家庭用の手持ち花火から、花火大会の大きなものまで、花火は夏の風物詩であり、とても身近なものですよね。

最近では花火の種類が増え・技術も増し、様々な色や形の物がありますが

同じ『火』なのに、花火の種類によって・また内側と外側で違う色を出せたりと、不思議だと思いませんか?

実は決まった方法で、必要な色を出すことが出来るのです。

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違う色が見える理由・炎と光の関係

私たちが目にする光は、太陽の光や、それが物体に反射した光だけではありません。

実はものが燃える時に出る炎も光を放っており、これにより私たちは炎の色(炎が放っている光の色)を見ることが出来るのです。

そんな炎の色と言えば、何色を思い浮かべるでしょうか?赤色か青色でしょうか?

しかし実際は、赤や青の炎だけではありません。 下の画像をご覧下さい。

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出典:web.canon.jp/technology/kids

これは色々な金属を燃やした実験写真です。炎には沢山の色があることが分かりますね!

これらの色は、ナトリウムなら黄色、銅なら青緑というように、金属の種類によって違うのです。

このように、金属を燃やしたときに、その金属の種類によって決まった色を放出することを、炎色反応』といいます。

簡単に言うと、燃やす金属によって違う色が得られるということ。

この反応を利用して、様々な色の花火が作られているのです。

 

鮮やかな色の花火が作られるしくみ

あの鮮やかな花火は、この「炎色反応」を利用しています。

一般的な打ち上げ花火では、大きな花火玉の中に2種類の火薬が入っています。

1つは、上空で花火玉を割るための火薬・もう1つが丸い粒状の「星」と呼ばれる火薬で、花火の光の1つずつとなり、様々な色を出します。

この「星」には「炎色反応」を起こす金属が含まれており、「星」に入っている成分が、上空で火薬により燃えて「炎色反応」を起こし、金属の種類によって、赤や青など違う色を見せてくれるのです。

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出典:web.canon.jp/technology/kids

花火の中には、上空で広がった後に色が美しく変化するものもあります。

こうした花火の「星」は、真ん中にある「しん」に向かって、違う色の火薬をまぶしていく方法で作られており、上空で「星」が外側から燃えていくため、だんだんと色が変わっていくのです。

 

今日のポイント

花火の鮮やかな色は、実は色々な金属を燃やすことで作られる炎の色。

燃やす金属によって炎の色が変わるため、職人さんがそれを計算しながら花火を作っているのです。

何気なく見ている花火にも、化学の力と作り手の努力が込められているのですね。