色の雑学

国による色の見え方・感じ方の違い

国によって色のとらえ方が違う?

海外に行くと町並みや全体的な色が日本と違ったり、お菓子のパッケージにびっくりするような色が使われていたりして、驚いたことはありませんか?

実は色というものは、万人に同じように見えているわけではありません。

また、例えば日本人は赤を見て暑さや情熱を感じますが、国が違うとこの感じ方も変わってきます。

感じ方が違えば、好きな色も変わってきます。

今回は、そんな国による「色の違い」を見ていきましょう。

 

虹は何色?

空に架かる虹、何色に見えますか?絵を描くとき、何色を使って描きますか?

日本では『赤・橙・黄・緑・青・藍・紫』の七色が一般的ではないでしょうか。

この虹の色、世界ではこんな風に見えています。

同じ虹を見ているはずなのに、こんなに見え方に差があるなんて不思議ですよね。

見え方の違いのほか、考え方の違い(色をどこまで分けるか等)も大きく影響しています。

 

色に対するイメージ

赤は情熱の色、ピンクは女性的な色、青は静的な色…みんなそう感じている?

実は特定の色に対するイメージも、世界でずいぶん差があります。一例を見て見ましょう。

オーストラリア先住民:大地、地球

ケルト民族:死、来世

中国:幸運、祝賀、召集

ヘブライ人:犠牲、罪

インド:純潔

日本:情熱・炎・生命力・興奮・勝利

南アフリカ:喪

東洋:新婦によって着られるもの、幸福、繁栄

西洋:興奮、危険、愛、情熱、停止、クリスマス、バレンタインデー

中国:滋養、忠誠

エジプト:喪

インド:商人

日本:勇気

東洋:悪に対する試練、死者のための色、犠牲、帝国

西洋:希望、運、臆病者、弱さ、タクシー

中国:「緑の帽子」は妻を寝取られた男性、厄除け

インド:イスラム

アイルランド:国の象徴、宗教(カトリック)

イスラム:真理

日本:生命

東洋:永遠、家族、健康、繁栄、平和

西洋:春、誕生、移動、お金、聖パトリックデー、クリスマス

似たような解釈もありますが、国によって色の意味する物が全く違っていたりして面白いですね。

言葉や生活習慣と同じで、日本で当たり前だと思っていた意味が、世界では通用しないこともあるのです。

 

同じ色なのにどうして違う?

同じ色を見ていても、国によって見え方や感じ方が違うのはなぜでしょうか。

様々な要因がありますが、その中でも大きな理由が3つあります。

 

1.文化や歴史による違い

例えば日本には、西暦603年に聖徳太子が作った官位制度「冠位十二階」と呼ばれるものがありますが、この中で一番位が高い色が紫でした。

そのため日本では、紫=高貴・尊い・優雅 といったイメージが強くあると言われています。

黄色は日本では明るく未来に向かうような色ですが、エジプトでは喪を表します。

このように、歩んできた歴史や長年培ってきた文化によって、色に対するイメージが大きく違うことがあります。

 

2.太陽の光による違い

色の見え方は太陽光の波長によって変化します。

赤道に近づくほど赤みが強調され、赤道から離れるほど青みが強調されるという特性があるため、国によって自然界の色みが変わってしまうことがあるのです。

また、晴れた日と曇りの日では景色の見え方が違いますよね。

つまり日照時間の長い国・短い国でも色の見え方に差があり、これが国・地域ごとの色の好みにも大きく影響しています。

 

3.目の色による違い

人は人種によって目の色が違い、それによって光の感じ方や色彩感覚が影響を受ける場合があります(光の感じ方はメラニン色素の数によって変わるため)

目の色が黒いアジア人(メラニン色素が多い)より、目の色が青い白人(メラニン色素が少ない)は 2倍眩しく感じているそう。

そのため、国によって照明の明るさが違ったり、白人にサングラスを掛けている人が多かったりするのです。

このような目の色・眩しさの違いにより、色の感じ方や好みが変わることがあります。

 

☆みんな違うから面白い

Blanc-Pointillustration_F01自分が見えている色・その色に対するイメージ・感じ方がみんなに当てはまると思いがちですが、言葉や文化と同じで人それぞれ。

同じ日本人でも、ひとりひとり目の色も感覚も違います。

自分に見えている色が、となりの人には少し違う色に見えているとしたら…とても興味深いと思いませんか?

国や人の理解を深めるツールのひとつとして、色を活用できるといいですね。

 

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